長濱ねる(欅坂46)

球春到来! 各球団を応援しているアイドルを調べてみた(セ・リーグ編)


 球春到来! 大谷翔平の活躍で注目が集まるメジャーリーグに負けじと、例年以上に大きな盛り上がりを見せる日本プロ野球界。今回は12球団のファンを公言しているアイドルを調べてみた! まずはセ・リーグから。

●広島東洋カープ

 目下、セ・リーグ2連覇中。カープ女子なる言葉も浸透し(2014年の新語・流行語大賞トップテン)、アイドル界でもファンが急増中の印象。グラドルレジェンドの杉原杏璃を始め、菜乃花、岩崎美咲、市川美織(NMB48)、和田まあや(乃木坂46)、張織慧(STU48)、瀧野由美子(STU48)、段原瑠々(juice=juice)、廣田あいかなど、広島出身者を中心に個性派が顔をそろえる。

 瀬戸内7県を中心に活動中のSTU48メンバーのカープ女子率の高さにも注目だが、個人的にそれ以上に特筆しておきたいのが、写真集の記録的大ヒットに続き、最近はソロ活動もめざましい長濱ねる(欅坂46)だ。タワーレコード広島店の『サイレントマジョリティー』、『二人セゾン』の宣伝ポスターに自身のサインのほか、即興でチームマスコットのカープ坊やを描き、その秀逸なタッチが一躍話題になった。

 のちにカープ優勝の際には『二人セゾン』のそれに「リーグ優勝おめでとうございます」のメッセージが書き加えられ、こちらも大きな話題を呼んだ。自身が長崎県出身という点もあり、現時点ではファンとしての熱烈度に関してはやや微妙(?)という見方もあるものの(この春は、オリックスのドラ1ルーキーにして欅坂ファンという田嶋大樹のもとを番組企画で菅井友香とともに表敬訪問)、これから本気のファンになっても全然遅くないだろう。カープ・ファンにとってこれほど頼もしい、旬の存在はないはずだ。

●阪神タイガース

 ファンの熱狂ぶりはダントツと呼んでも過言じゃない球団。屈指の人気球団ということで昔からファンのアイドルも多く、古くは佐藤江梨子、安田美沙子、水川あさみ、浜田翔子ら、最近では山本彩(NMB48)、薮下楓(STU48)、大川藍、森田涼花、もえのあずきなどが挙げられる。

 なかでも筋金入りの虎キチと認定したいのが小池美波(欅坂46)だ。兵庫出身でものごころついたときからの阪神ファン(「赤星選手と藤本選手が好きだった」というから、4、5歳のときにはすでに虎キチだったことが分かる)。甲子園球場そばのららぽーと甲子園店のCDショップの欅坂コーナーは彼女の写真がメインで据えられるという破格の待遇ぶりで、地元の虎キチが「本物のファン」と認める存在。そして極めつけはなんといっても「どんなにイケメンでも巨人ファンだったら諦める」という発言。ここまで言い切れるのは千秋と彼女ぐらいでは? 彼女に好かれたい一心で巨人ファンから鞍替えする者が続出中……という話も聞こえてくるが、納得です。

●横浜DeNAベイスターズ

 昨年は3位ながらクライマックス・シリーズで広島を破り、日本シリーズ進出。ラミレス監督体制になって、人気、実力が着実に増しているDeNA。ファンの人数も増えているが(昨年は主催試合でチーム史上最多の198万人動員)、アイドルのファンはというと、残念ながら、依然心もとない状況。目立つのは、ツイッターでファンを公言する一色嶺奈(SKE48)や、昨年、SHOWROOMのDeNAの試合中継でコメントを寄せた小田えりな(AKB48)ぐらい。

 かつては、2015年にベイスターズ・ファンとして『週刊プレイボーイ』(集英社)の企画グラビアに登場、自身のブログにもベイスターズ仕様の水着姿の写真をアップした黒木ひなこ(横浜スタジアムのビールの売り子を経て仮面女子に加入)がいたが、グループ卒業後は引退(した模様)。

 個人的に注目したいのは、小田さくら(モーニング娘。’18)。言わずもがなアイドル界屈指の歌唱力の持ち主にして、昨年、セ・パ交流戦応援大使を務めたモー娘にあって、ベイスターズを担当したのが彼女。交流戦終了の際には「野球面白い!!!!!!!!」「これからもベイスターズを応援させて頂きます!!!!」などと、ビックリマークだらけの力強い言葉で締めくくったが、その後ファンになってくれたのか、続報を期待したい。

●読売ジャイアンツ

 テレビで野球中継をやらなくなって久しいが、日本一の伝統の球団だけあって(チーム創立84年)、人気は相変わらず。アイドルでファンを公言する者は依然多く、ざっと調べただけでも、足立梨花、生田絵梨花(乃木坂46)、平祐奈、高畑充希、川栄李奈、柏木由紀、黒島結菜、小島瑠璃子、渡辺麻友、おのののか、宮澤佐江、齋藤冬優花(欅坂46)、佐々木久美(けやき坂46)などなど、いるわいるわ。巨人ファンサイトの芸能人の項目などを見ると、女子アナや女優を含めると優に100人以上の名前を目にすることができる(中には、どこまで本気のファンかあやしい者もいるわけだが)。

 そんな中にあって、「生粋の本物」と呼びたいのが竹内朱莉(アンジュルム)だ。ファンの域を超えた冷静な戦力分析には定評があり、2012年の巨人対アスレチックス戦における巨人の敗因評や、2014年の阿部の一塁コンバートの際に「メンバーの卒業と同じくらいショック」と嘆いたのは記憶に新しい。昨年4位という結果に終わったことについても「ワタシが思う改善点は、ちょっとベテランに頼りすぎているところ。でも活躍してほしいのは20代なんです」などと語り、目下活躍中の若き大砲の岡本和真の登場を予見していたのは知る人ぞ知る話。思えば、スマイレージ時代のキャッチフレーズが「I Love Baseball!野球しか愛せないぜ!」。新人のアイドル歌手で、まったく歌と関係のない野球のみをキャッチフレーズにしたのは彼女だけだろう。

●中日ドラゴンズ

 地元・愛知での人気は圧倒的なものがあるものの、全国的人気となると微妙なチーム。昨年の主催試合動員数は201万人でDeNAより多いが、その5年前の2012年の動員を見ると208万人で、チームの低迷(5年連続Bクラス)にともない減っている。3万人収容の横浜スタジアムに対して3万7千人収容のナゴヤドームという点も考慮すると、もっともっと客が入らなければならないだろう。

 そんなわけで、アイドル界の中日人気も極めて微妙。有名なのは愛知出身の武井咲と浅田真央(アイドルじゃないか)、あとは地元応援のSKE48勢だが、正直ここ数年は、彼女たちの口から中日の話題が語られることはあまりなく、チーム低迷の悪影響は計り知れない。そんな状況にあって一番のファンを選ぶとすれば、竹内彩姫(SKE48)だ。グループ加入前は中日ドラゴンズのチアリーディングチーム「チアドラゴンズ」のキッズメンバーとして活動。加入後のキャッチフレーズは「あなたを彩るお姫様、目指すはSKE48のスイッチヒッター!」で、野球愛をいかんなく発揮。昨年4月には念願のナゴヤドームで始球式を行い、話題を集めた。今年は新外国人2人がスイッチヒッターということで、魅惑のスイッチヒッター・トリオ(アルモンテは開幕から打棒爆発中!)の結成なんてのも期待したいが、はたして(笑)。

●東京ヤクルトスワローズ

 2015年に優勝を果たしたものの、その後2年は低迷中。昨年は勝率.319、チーム歴代ワースト3位という不名誉な成績に終わり、今こそ、アイドルたちの熱烈な応援が必要と思われるヤクルト。球団の初代公認マネージャーを務めた磯山さやか、ヤクルト戦始球式5回の実績を持つ倉持明日香(元AKB48、父親の倉持明はロッテ、西武、ヤクルトで活躍)、フジテレビの女子アナ勢(過去、平井理央、本田朋子、三上真奈、宮澤智らがファンと公言)が有名だが、目下のNo.1ファンといえば柏木ひなた(私立恵比寿中学)でキマリ!

 昨年観戦した対楽天戦では、前人未到の8試合連続二桁奪三振記録中の則本の記録を止め、投打における冷静な勝因分析コメントが話題に。観戦試合の勝率はかなりの高さを誇ることでも知られており、一部ヤクルトファンの間では磯山に続く球団公認マネージャー待望論も出ているとか。今年はここまで出足好調のチームにあって、さらなる彼女の言動に注目したい!

(文・織田“アイドルライター歴24年&プロ野球ファン歴42年”祐二)