映画『世界でいちばん悲しいオーディション』を松江哲明監督はどう観たのか?の画像

ドキュメンタリー映画監督 松江哲明
アイドル映画評「アイドル映画って何だ?」vol.1

 ドキュメンタリー映画監督の松江哲明氏が、アイドル映画を評論し……、というか、アイドル映画ってそもそもどういった作品のことを指すのか? という再定義を目指す連載。第1回は、楽器を持たないパンクバンドBiSH擁する事務所「WACK」のオーディションを追った作品についてです。

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『世界でいちばん悲しいオーディション』

本作に観た「この国っぽさ」

 本作を観ながらある編集者から「自分の知らない記事が多かったからつまらない、という意見が来るんです」という話を思い出した。私はWACKの音楽や状況を知らないからこそ、本作にこんなにも衝撃を受けられたのだろう、と。そしてアイドル映画はアイドルに興味がない人こそ観るべきではないか、という考えを再確認した。

 歌にダンスにマラソン、貴重な食事の場でもデスソースに挑戦することでポイントを稼ぐ、それは分かるのだが「その先には?」と疑問も浮かぶ。ここで戦う内容はあまりに狭い世界での出来事なのだ。しかしアイドルを目指して候補生たちは苦しみ、合格し、そして脱落する。そこがすごく今の日本っぽい。一週間で何をするのかは想像がつくのになぜ対策を練らないのか、とも思うが、そんな器用な者は本作で回されるカメラ以外に存在する配信という視線からも厳しく審査されるのだろう。彼女たちはまだアイドルに成りきれていないからこそ魅力的なのであって、そこに演技や計算は歓迎されない。それもこの国っぽさに映る。

 勝者と敗者の境界線は極めて薄く、島を去る女性にカメラは「これからどうするの?」という問いを向ける。未練を残す者、清々しさを感じさせる者、プロデューサーへの態度を一変させる者。岩淵監督が彼女たちをアイドル「だけ」として映していないからこそ映像に批評性がある。白黒が明確な状況でもグレーを探す。これこそドキュメンタリーの凄み。その映像体験の先には現在を知るヒントもある。派遣社員として働き、生活に追い詰められていく自身の姿を撮った『遭難フリーター』の監督の視点はアイドルが対象でもブレない。

 ある程度の成功が期待される企画だからこそできる、個性の強い監督の起用。こんな稀有な出会いが成立するのもアイドル映画ならではなのだ。

映画『世界でいちばん悲しいオーディション』


あらすじ

2018年3月に長崎県の離島で行われたアイドルオーディション合宿。
全国から集まった24人の候補生たちは、自らの夢を叶えるべく、
歌、ダンス、マラソン、デスソース…と過酷な試練を乗り越えながら、
己と向き合い、闘い、そして覚醒し、あこがれのアイドルへの階段を上っていく。
しかし、毎夜行われる無情な脱落者発表。
理不尽なジャッジに感情を揺さぶられながら、本性をむき出しにしていく候補生たち。
泣きながら、倒れながら、それでもアイドルになりたい一心で走り続ける少女たちの、
切なく過酷な一週間を追った唯一無二のドキュメンタリー映画。
(公式ホームページより転載)

監督・撮影・編集/岩淵弘樹
出演者/オーディション候補生、モモコグミカンパニー(BiSH)、パン・ルナリーフィ(BiS)、ペリ・ウブ(BiS)、 キャン・GP・マイカ(GANG PARADE)、BiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiRE

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