アイドルという“リアルなフィクション”はどんな生き方をも肯定する力を持つ 平成アイドル水滸伝 最終回 結びの巻~アイドルはすべてを肯定する【後編】の画像
※画像は欅坂46のシングル『黒い羊』(TYPE-A)より

平成アイドル水滸伝~宮沢りえから欅坂46まで~
最終回 結びの巻~アイドルはすべてを肯定する【後編】

 ここまで毎回二組の女性アイドルを選び、列伝的に平成アイドル史を振り返ってきた。おかげさまで連載も無事今回が最終回。まだまだ取り上げたかったアイドルもいるが、ここはいったんの結びとして「平成女性アイドルとはなんだったのか」について最後に考えてみたいと思う。

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■『あまちゃん』が体現したフィクションの力

 (前回の続き)一方、ドラマというフィクションのなかで、平成ならではのアイドルと人生の関係が見事に描かれたこともあった。2013年に放送されたNHKの朝ドラ『あまちゃん』である。

 朝ドラの主演女優は、多くがまだ世にそれほど知られていない若手女優である。そして私たち視聴者は、彼女が演じるひとりの女性が幼少時からおとなになるまで毎日その人生を見守り続ける。つまり、私たちは彼女と役柄を重ね合わせ、その成長のプロセスに寄り添う。そのフォーマット自体、この連載でも何度かふれてきたようにとてもアイドル的だ。そしてそのプロセスをまさにアイドルの世界を舞台に描いた作品、それが宮藤官九郎・脚本による『あまちゃん』だった。

 内容は一言で言えば、能年玲奈扮する主人公・天野アキが東北の街のローカルアイドルとして成長する物語である。ただしそれで済ませてしまうと、このドラマの持つ時代性は伝わらない。

 まず天野アキは、東北で生まれたわけではない。彼女は東京で生まれ育った高校2年生である。だが、周囲に馴染むことができずずっと悩んでいた。そこにふとしたきっかけで訪れた岩手県北三陸の地で祖母が生業にしている海女の仕事に魅せられ、自らも海女になる。そしてその姿を映したネット動画が評判になり、アキは橋本愛扮する足立ユイとともにローカルアイドル「潮騒のメモリーズ」としての活動を始める。

 ここで天野アキは、完全無欠のヒロインではなく、生きづらさをずっと抱えている存在として描かれている。そんな天野アキが生まれて初めて居場所と感じたのが、祖母の住む東北の街だった。その土地で彼女は、自分の人生を変えるためにローカルアイドルになる。要するに『あまちゃん』というドラマは、天野アキという人間の単なる成長の物語ではなく再生の物語である。

 そしてドラマの終盤、東日本大震災が東北を襲い、北三陸の街も大きな被害を受ける。その頃、アイドルとして東京で成功しつつあったアキだが、自らがようやく見つけた「故郷」である北三陸に戻り、地元の仲間や知り合いとともに復興のため働くことを決意する。そしてユイとのローカルアイドルの活動を再開する。

 つまりここにも再生の物語がある。生きづらさを抱えたアキの再生と震災によって深刻な被害があった街の再生。この二つがぴったりと重なり合う。

 そこには、平成とアイドルの関係がくっきりと浮き彫りになっている。ローカルアイドルは街の再生の中心になる。だがアキがそう感じたように、そのコミュニティは、よそ者を排除することはなくどんなひとにも開かれている。

 「それはドラマだからだよ」という声がどこかから聞こえてきそうだ。アイドルが中心になって、悩みや苦しみを抱える人びとを包み込んでくれるコミュニティができる。それは確かに理想かもしれないが、現実はそうはいかない。そう思うひともいるだろう。

 しかし、少なくとも『あまちゃん』という作品は、ドラマという枠の外にはみ出していった。2013年の『NHK紅白歌合戦』で放送された『あまちゃん』特別編のことだ。

 それは、番外編ではなく「第157回」として本編の続きを描いたものだった。

 アキは、ローカルアイドルを集めたグループ・GMTのメンバーとして「紅白」に出演する。そしてそのステージ上から北三陸にいるユイにここに来るように呼びかける。実はユイは、上京しようとしたその日に東日本大震災に遭遇し、そのまま北三陸にとどまることを余儀なくされていたのだ。そしてユイの呼びかけに応じたユイは、父親の運転するタクシーに乗って念願の東京に到着する。そして二人は「紅白」のステージで劇中歌「潮騒のメモリー」の1番を披露。すると2番をアキの母親役の小泉今日子が、3番を女優・鈴鹿ひろ美役の薬師丸ひろ子と往年の人気アイドルが歌い継いだ。

 このとき小泉は25年ぶりの「紅白」のステージ、薬師丸に至っては初のステージということで、その時代を知るアイドルファンにとっては感無量のものがあった。当然メディアもこのサプライズを大きく報じた。

 だが忘れてはならないのは、そこにやはりアイドルという存在を中心にして世代も地域も超えたテレビのコミュニティが誕生していたことだ。それはいわば、アキがドラマのなかで出会ったような“開かれたコミュニティ”の拡大版だったと言えるだろう。フィクションは、時にそうしたパワーを発揮する。

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