同年配の女性の恋愛模様を描くこういう等身大の小説が基調なのかと思うと、全然違う。島本理生が帯の推薦文に「油断していると、次々予想を裏切るメニューが出てくるような短編集」と書いているけれど、まさにそのとおり。

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 以前紹介した「ジャム」は、人間が増殖しはじめるという奇天烈な設定のホラーというかストレンジフィクションだったし、次の「いとうちゃん」は、高校卒業後、群馬の実家を飛び出して新小岩に5万円のワンルームを借り、念願かなって秋葉原のメイド喫茶で働きはじめたのに、どうしても太ってしまう女の子の話。人気ナンバーワンの店から順番にバイトの面接を受けて5店めで合格したとか、チェキの指名がだんだん減ってシャッターを押す役ばかりやらされるとか、明太子スパを混ぜる接客仕事をまた断られたとか、メイドカフェあるあるがおかしくもせつない、リアルなお仕事小説。そこに加えられた小さじ一杯程度のフェミニズム的な視点がいい隠し味になっている。

 かと思えば、「リアルタイム・ジャンクション」は、東海オンエアとかへきトラハウスみたいな(もっと直接的なモデルがいるかもしれないがよく知らない)男性YouTuberチームが、食べるとなんでも喋っちゃうという触れ込みの「本音ダシ鍋の素」を入れた鍋を食べながら生配信に挑んだところたいへんなことに――という現代的なコメディファンタジー。

 かぶっていた仮面の裏側が覗ける短編群とも言えるし、アイドルの仮面をかぶっていた松井玲奈が小説家の仮面をかぶった短編集とも言える。あるいは、短編ごとにべつの作風に擬態するとか。その意味ではなかなかいいタイトルじゃないでしょうか。元℃-uteの鈴木愛理が、自身のソロデビューアルバム『Do me a favor』について、「1曲ごとに違う自分になる、カメレオンのようなアルバム」みたいに語っていたのをちょっと思い出したり。

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