山本彩
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アイドル食堂・第3回 栄福

 アイドルだってメシを食う。連載第3回は浜松篇その1。というのも最近、浜松に立て続けに出張したんですね。ところが、比較的余裕のある日程なのに、風邪を推して出かけたもんだから、出身アイドルの宝庫というのに、彼女たちのゆかりの店をほとんどスルーしてしまった。というか、微熱と咳に苛まれ、リサーチをする心の余裕もないまま、グルメも山勘で巡ったのだった。

【写真】餃子の王将、大阪王将が跋扈する大阪出身・山本彩も認めた浜松餃子の名店

 YAMAHAにKAWAIに(ホストじゃなくシンセ等の)ROLAND、SUZUKIにHONDAと大手メーカーの本拠地の浜松だが、広さでも人口でも、出身アイドルの数でも県内のライバル静岡市を上回る。

 ももいろクローバーZのリーダー、百田夏菜子を筆頭に、“崖っぷちアイドル”こと元チェキッ娘の熊切あさ美、元アイドリング!!!の河村唯、元AKB48佐藤由加理、静岡市出身の広瀬すず主演のNHK連続テレビ小説『なつぞら』で注目された水谷果穂なんかも出ている。みちょぱこと池田美優も浜松育ち……。

 そして、浜松といえば、浜名湖の鰻や三ヶ日みかん、中華の五味八珍や炭焼きレストランさわやかなど、ほぼ静岡限定チェーンレストランの発祥の地でもある。さらになんといっても、浜松餃子がソウルフード。上記の面々それぞれ、お気に入りがたんとある、アイドル食堂ツアーには打ってつけなのだ。

 と思うと、後悔先に立たずだが、捨てる神あれば拾う神あり。そんな状況でも、執念で餃子を食べた甲斐があった。早く風邪が治るようにとの、いわば願掛け餃子だが、1泊2日で2食のうち、1軒は元祖と呼ばれる、駅構内にも店がある「石松」の餃子を堪能した。この店もアイドルとは縁の深い店で、もったいつけるようで恐縮だが、某番組で「人生最高」とのお墨付きを与えた某若手人気女優もいる。検索すれば、その名もすぐわかるだろうが、紹介は次回としたい。

 むしろダークホースは翌日の晩、帰京間際に駆け込んだ店だった。それが17年7月、TBS『ジョブチューン』でも紹介された、浜松駅から数駅の助信駅近くの「栄福」。正式な放送回のタイトルは『地元の味を守るプロが激突!全国ご当地グルメ三強対決スペシャル!』で、粉もんや焼きそばなど4つのジャンルで3地域が競い合うという体裁だった。それぞれの名店の製造行程を比較し、どれが一番かをパネラーが判定したのだが、餃子部門で優勝したのが「栄福」。宇都宮と浜松、八幡(*北九州のいわゆる鉄鍋餃子)で張り合った結果だった。

 この手の番組をいつもは鼻白む思いで眺めている自分だが、「栄福」の餃子を実際に食べ、誰彼となく薦めたく思っていた矢先なので、その放送内容を知った時は驚きだった。浜松出身でこそないが、そこにはゲストパネラーとしてNMB48(当時)の山本彩が参加していた! つまり、「栄福」の餃子はさや姉も食べ、激賛した代物ということ。

 野菜分多め、あっさりが主流の浜松餃子界において、「栄福」の餃子はニンニクがガツンと効いて肉々しい。東京育ちのぼくには「これぞ餃子!」というテイスト。皮は浜松餃子らしくサクッとクリスピーだが、餡には重厚感が漂う。宇都宮餃子も実を言えば、ずっとそれだけ食べていられる感が強いが、ぼくとしては、餃子もご飯のおかずにならないとちょっと寂しい。その点、「栄福」の餃子は秀抜だ。

 さらに詳しく述べれば、浜松餃子の特徴はキャベツにあって、少し口の中で主張するよう粗めに刻むのが定番。また、茹でもやしを添えるのも共通のスタイルだ。「石松」の餃子は特に野菜が主張し、キャベツの甘みが芳ばしい。ところが、「栄福」は本流とは違い、齧った途端に溢れ出す肉汁、ほどよい脂っ気の中にザクザクしたキャベツが歯に触る。そのバランスが見事。これを口にした瞬間、個人的に今まで腑に落ちなかった浜松餃子の魅力が一気に呑み込めた次第だ。

 地元大阪のお好み焼きと広島お好み焼き、東京のもんじゃ焼きの比較もあったからだが、『ジョブチューン』出演時のさや姉はともかくよく喋った。餃子好きでもあるらしく、該当コーナーでは一家言垂れるより、ひたすら「美味しい」を連発。宇都宮餃子を食べた際は特に喜色満面の面持ちだったが、浜松餃子を口にすると、「うん?」とおちょぼ口を尖らせ、しばし黙り込む。

 そして、八幡餃子で再び笑顔全開。この流れでは、一番認定は宇都宮か……と思いきや、しっかり浜松餃子に札を上げていた。浜松に何度か通い、少々贔屓目で見るようになったぼくからすると、このさや姉のリアクションには心底安堵した。「餃子の王将」、「大阪王将」の地で生まれ育ったさや姉が浜松餃子を認めるなら、もはや関東・関西の垣根も取り払われたも同然。「栄福」の餃子をかすがいに、ぼくはさや姉にこれまでにない親近感を抱いた。

 栄福のもう一つの名物は文字通り、豚バラ肉で巻いた肉巻き餃子。手羽や鶏皮餃子と発想は一緒だが、薄い豚バラのほうが餡の肉々しさが倍加し、ビールがクレイジーに進んでしまう。こちらもぜひさや姉に試してほしい逸品だ。さや姉は17年2月放映の読売テレビ『ワケあり!レッドゾーン』でも、「大阪王将」や渋谷の「立吉餃子」などの、お取り寄せ水餃子を立て続けに試食。ニンニク入りの餃子はデート飯としては焼肉以上にハードルが高いのに、物ともせずに頬張る頬張る……。その様子を眺めるだけでなんだか幸せな気分に浸れてしまうのだ。

 アイドルと仮想のランチやディナーを楽しむ。それがアイドル食堂の醍醐味だが、さや姉はその食べっぷりからも性格美人ぶりが伺える。さや姉との食事はさぞ楽しかろう。食べっぷりにも持ち前の探究心が覗くのだ。さすが「アイドルにならなかったら、歴史の先生になっていた」と、さるインタビューで語るだけある。人は味蕾や胃の満足のためだけに食べたりしない。好奇心を満たすために食べるのだ。

※価格は来店時。消費税改正後は変動している可能性があります。

(取材・文=鈴木隆祐)

 

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