
連載企画『グラビアアイドル歌謡の世界』
第11回 原紗央莉『私のお口が世界を救う』(2009)
世界中で新型コロナウイルスが蔓延し、WHOがパンデミックを宣言した。未知のウイルスと人類との長い戦いが始まり、重苦しい終末ムードの中で在宅勤務を続けているうちに、あの歌を思い出した。原紗央莉のデビュー曲『私のお口が世界を救う』だ。
2008年から2009年にかけてのグラビア界、あるいは男性誌界隈は、原紗央莉のニュースでもちきりだった。エキゾチックな美貌と透き通る白い肌を持つ人気グラビアアイドルのAV転身、しかも疑似ではなくガチ。衝撃的なAVデビュー作は、記録的な大ヒットとなった。
そんな彼女は、人気絶頂の2009年4月に『細菌列島』という映画に出演している。感染すると顔が金正日(劇中では「北の将軍」と呼ばれる)になって死亡するという奇病が新潟で多発し、日本で静かに暮らしていた将軍の息子(今は亡き金正男がモデル)がそのパンデミックを阻止しようと奮闘する、命知らずの不条理コメディだ。
原紗央莉は「ファッションヘルスで世界平和を目指す」というR指定な夢を持つヘルス嬢を演じていて、映画の中盤で唐突に『私のお口が世界を救う』を歌いだす。
どんな歌かはもうタイトルで察していただけるだろう。口で気持ちよくさせれば人は争わなくなる的な歌詞を、マイクを咥える仕草をしながらクネクネ踊り歌う、レトロ風味のB級昭和歌謡だ。
この下ネタソングは2番までたっぷり歌われ、歌い終わった直後に彼女は公安にあっさり射殺されてしまう。映画の最後がどうなったのかは覚えていないけれど、原紗央莉が終始チャーミングだったこと、そして金正男役の俳優がかなり金正男に似ていたことは、今も印象に残っている。
金正男はもういないけれど、原紗央莉は芸名を松野井雅と変えて活動を続けていて、その美貌は健在だ。ただし、濃厚接触は、パンデミック時には世界を救うどころか感染を広めてしまうことになりかねない、ということは肝に銘じておきたい。
(文・真実一郎 https://twitter.com/shinjitsuichiro)
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