
社会学者・太田省一×アイドル評論家・中森明夫対談 8/14
今年、『平成アイドル水滸伝〜宮沢りえから欅坂46まで〜』(双葉社)を上辞した社会学者・著述家の太田省一氏が、「おたく」という言葉の生みの親であり、80年代よりアイドルを批評し続けてきたアイドル評論家・作家の中森明夫氏を迎え、平成のアイドルについて激論を展開。
アイドル批評の分野で2大論客ともいえる両者が、この30年間のアイドルシーンをアカデミックに分析する。昭和からのアイドルマニア、アイドル史を詳しく理解したい平成アイドルファン、どちらも必読だ。
■松浦亜弥は“典型的なアイドル”では決してなかった
──『平成アイドル水滸伝』の中で、松浦亜弥を最後にメジャーなソロアイドルが現れない事情について語られています。そのあたりについてはいかがですか?
太田 宮沢りえから広末涼子という流れがあって、それが、昭和から平成の変わり目っていう部分があると。僕は、広末っていう人が人気が出た当時はあまり惹かれなかったんですよ、個人的にはね。でも、今、振り返って色んな資料を見直したりしてみると、“ああ、結構面白い人だったな”って思うようになったんです。
面白いっていうのは、アイドルとして大変に魅力的だったということともちょっと違っていて、“彼女は時代の体現者だったんだな”という感じがすごくした、ということなんです。ですが、アイドル史が語られるときに、僕が知る限り、あまり広末がフィーチャーされることが無いんですね。
中森 ないですね、確かに。広末論的なものはないと思いますね。松浦亜弥は相当、語られていますが。
太田 だから、広末に関しては、ちゃんと評価してあげたいなと思います。
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