中森 ただ、売れてくるとね、色々なことが起こって、生ハムと焼うどん(*6)みたいに残念な結果になりがちなんですよね。橋本環奈だって、結局、あれでRev. from DVL(*7)を続けていくことはできなかったですからね。
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太田 可能性はいろいろありますね。昭和に生まれたアイドルのフォーマットの発展型とも、それが一旦壊した上での再構築ともいえますね。いま、中森さんがおっしゃったことも、僕が言ったことも。そうした流れのなかで、一斉に起き出している感じがします。
■平成と70年代との類似性からアイドルを考える
太田 マツコ・デラックスが「平成というのは30年にわたる過渡期だったんだ」と書いているのを読んだことがあるんです。要するに、平成とはどんな時代だったかを言えないようなところがあって、それだけ何も生まれなかったし、壊れたかもしれないけど、壊れた後の感じも微妙で。
中森 ちょっと1970年代に似ていません?
太田 なるほど。そうかもしれないです。
中森 亡くなったさくらももこさんは、平成を代表する人の一人だと言えますよね。で、彼女が描いた『ちびまる子ちゃん』の世界というのは、70年代半ばに固定されている訳ですよ。だから、だからあの時のアイドル、西城秀樹や山口百恵が出てくるわけです。
ただ、ノストラダムスの大予言があり、オイルショックがありで世の中的にはちょっと暗かった。60年代までの高度経済成長とか、80年代のバブル景気のような明るさはなかったですよね。過渡期と言えば過渡期ですけど。
太田 確かに70年代と似ていたところがありますね。『平成アイドル水滸伝』の優香のところで書きましたけど、1999年にハルマゲドンがやって来るなんて話があって、もちろんそんなことはなくて、むしろみんなが疲労感のなかで、ただ続いていく日常があった。それをいま、思い出しました。
それで、70年代のトップアイドルである山口百恵というのは、さっきは大きなフィクションだと言いましたが、一方でリアルな存在でもあった。生い立ちに関する逸話がいろいろあって、引退直前に『蒼い時(*8)』(集英社)で自ら書いたりして。フィクションであり、リアルな部分もあった。やっぱり、リアルなフィクションをアイドルが担っていうのはあるんだと思います。
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