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※画像はPeachy's『My Baby Boy』より

【グラビアアイドル歌謡の世界】 第31回  Peachy's『My Baby Boy』(2008年)

 元グラビアアイドルの小阪有花さん(旧芸名は小阪由佳)が結婚する、というニュースを見た。

 2004年にミスマガジンのグランプリに選出されて、バラエティ番組にひっぱりだこだった彼女は、さまざまな騒動に巻き込まれてメンタルを病み、激太りした末に芸能界を去っていった。現在は保育ビジネスなどで活躍されていて、過去の話を笑顔交じりに語るようになっているので、いろいろふっきれたのだと思う。

 彼女が活躍した2000年代初頭のグラビア業界は相当にデタラメだったようで、先日公開された吉田豪の『豪の部屋』でも、ゲストの杏さゆりが劣悪な労働環境でパニック障害に陥った過去を告白していた。

 当時は、過去のアニメ主題歌のトランス・カバーをグラビアアイドルに歌わせたCDに水着DVDを付けて売るという、音楽に対する愛がひとかけらもないビジネスが横行していたくらいだから、グラビアアイドルは都合よく搾取されやすい存在だったのかもしれない。

 そうした中にあって、小阪さんはオリジナル曲を収録したアルバムまで発売させてもらっていたので、扱い的にはまだ恵まれているほうだと思っていた。しかし2008年に発表されたプロジェクトはちょっと違った。

 彼女はフジテレビのバラエティ番組の企画で、グラビアアイドル3人によるユニット「Peachy's」を南明奈秋山莉奈とともに結成した。これは、彼女たちの歌唱力が残念な感じだという理由から、代役の森三中が歌を吹き込み、その曲にあわせて口パクをしながら踊るという、前代未聞のユニットだった。

 楽曲『My Baby Boy』は著名なDJであるAKAKAGEプロデュースのまっとうな作品だった。でも彼女たちは曲に合わせて、ただニコニコ笑顔を振りまきながら歌うそぶりで体を動かすだけ。企画した側にとっては単なるギャグだったかもしれないけれど、演じる側にしてみれば、自分がただの「人形」として消費される恥辱の公開羞恥プレイだったのでは。小阪さんはこの頃からおかしくなっていった。

『My Baby Boy』は、グラビアアイドル歌謡史上最も罪作りな曲として記憶されている。しかし逆に、人形扱いされた苦い過去があるからこそ、今のようにパラレルキャリアで主体的に活躍する意識が彼女に育まれたのかもしれないと思うと、人生に無駄な経験はないのだと勇気づけられたりもする。なにはともあれ、ご結婚おめでとうございます。

(文・真実一郎 https://twitter.com/shinjitsuichiro)

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