
【グラビアアイドル歌謡の世界】 第32回 平田裕香『恋のダイヤル6700』(2008年)
先日、平田裕香が久々に水着グラビアを披露した。2000年代前半にグラビアアイドルとして活躍した彼女にとって、14年ぶりの『週刊プレイボーイ』カムバックだった。
現在38歳。奥二重の涼しい目が印象的な美貌は変わらず、健康的な肢体も健在だったので、なんだか嬉しくなり、最新のデジタル写真集を思わず買った。俳優として声優として、現在進行形で輝き続ける彼女の姿が眩しかった。
平田裕香といえば、2007年の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の悪のヒロイン「メレ」役を抜きにして語れない。上官への愛を貫くツンデレ拳士。日本特撮史に残る名悪役。誰も「お前、平田だろ!?」と言えないくらい、彼女はメレという存在になりきっていた。
ゲキレンジャーのキャラクター・ソングアルバムでは、メレ名義で「ちぎれた羽根」という曲も歌っている。平田裕香自身が作詞を手掛けたこの曲は、アルバム中で随一の完成度を誇り、シンガーとしてのポテンシャルの高さを期待させた。
歌手デビューの機運が高まる中、ちょうど14年前の2008年4月に、彼女のデビュー・シングル『恋のダイヤル6700』が発表された。これが彼女の最初にして最後のシングルとなった。
当時のグラビアアイドル界隈では、「昭和歌謡曲の激安トランスカバーをグラドルに歌わせてDVDを抱き合わせて売る」という、音楽愛が1音符も見当たらない安易な商法が横行していた。平田裕香クラスであっても、この商法から逃れられなかったのだった。
出来ればオリジナル曲を聴きたかったけれど、彼女の少し鼻にかかった低めの歌声とまっすぐな歌唱は耳に心地よく、意外と何回でも聴けてしまう。
電話をテーマにした曲なので、付属DVDに収録された激安ミュージックビデオの中では、彼女は折り畳み式の国産携帯電話、いわゆるガラケーを手にしている。日本でiPhoneが初めて発売されたのは2008年の7月なので、この時点ではスマホはまだ日本に存在していなかったのだ。
たった14年で、世界は大きく変わった。電話番号を知らなくても、電話なんてかけなくても、スマホでサクッと繋がる時代になった。考えてみたら、「ダイヤル」が電話を表すということが分からない世代も、もう相当数いるに違いない。
14年前と同じ魅力を放つ平田裕香の水着グラビアを見て嬉しくなったのは、変わらない何かに触れたような気持になれたからなのかもしれない。
(文・真実一郎 https://twitter.com/shinjitsuichiro)
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