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大場美奈が書く「リーダー論」AKB48チーム4時代の失敗を経て学んだ リーダーという役職におけるメンバーとの接し方

  • 2023年01月20日 18時00分 公開
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二つのグループで二度、キャプテンを務めた大場美奈

AKB48・SKE48での14年間のアイドル人生で、2度チームリーダーを務めた大場美奈。AKB48・チーム4、SKE48 ・チームKⅡ、二つのチ―ムで先頭に立った彼女は何を感じ、グループを支えてきたのか。失敗も苦労も経験し、理想の先輩像も見てきた大場が語るリーダー論と、SKE48の後輩たちへの熱いエール。

 リーダーと言っても、なんでも出来るわけじゃない。 そして、なんでもやるのがリーダーでもない、と私は経験して思う。
 私は自分で全てやらず、頼るべきところは仲間を頼った。 一チーム16人以上はいて、一人一人得意なことを必ず持っている。 だからこそ必要な場面では、最適な子にその場を任せた。 例えばダンスが揃わない時はダンスが得意な子を中心に練習したり、 歌が得意な子に音程を確認したりリードして歌ってもらったり、 MCが得意な子にはMCが苦手な子も参加できる環境を考えてもらったりした。 そうすることでその子自身にも責任感も芽生えて、チーム内での地位も確立し、自信にも繋がると思っている。


AKB48チーム4時代の失敗
  

 SKE48では「リーダー」だが、私がかつて在籍していたAKB48では「キャプテン」と呼ばれる。キャプテンとはいえ、得意ではないことまでもやろうとすると必ず失敗する。 私はその失敗をAKB48のチーム4時代に経験した。 キャプテンというものがよくわからず、考えもしなかった。ただ“キャプテン=偉い人”くらいの感覚で捉えていた。そのため、メンバーの気持ちを理解して、考えてあげるという思考は皆無。 そんな私は、ダンスができない子がいたとき、みんなの前で名指しで怒ったことがある。それをされた側の気持ちも一切考えず、ただただできないことに怒った。すると、怒った子からの信頼を失くすだけではなく、周りからの信頼も失くすという経験をした。

 ライブのセットリストの考案に関わったことで、メンバーと微妙な関係になったこともあった。キャプテンもあくまでメンバーだ。 キャプテンだからと言って、チームでやるライブに対して、キャプテン一人の意見だけ反映されるというのは、そのほかのメンバーにとっては気持ちが良くないだろう。
当時は、何より個人の仕事が忙しく、チームで活動する中でキャプテンとしての役割を何もしなかった。 レッスンを仕切るわけでもなく、チームとしての意識を確認したりするわけでもなく、目標を立てたりもしなかった。
 そして、そのまま私は自分の問題で謹慎をした。まだ出来たばかりの新しいチームで、これから目標を決めて頑張っていかないといけないときにいなくなった。
 これも大きな失敗だとは思うが、それよりも前に私はいくつも失敗していたのだ。むしろキャプテンとしての役割を一つも果たせていない、に近かった。謹慎が明けてからもキャプテンは続行になった。だが、私は全ての自信をなくし、申し訳ない気持ちを抱えながら活動をしていた。そんな私にキャプテンという役割は到底無理だった。そのうちチームは解散になり、私のキャプテンも必然的に終わった。


理想のキャプテン像との出会い

 そんな私は次に所属するチームで、後にキャプテンの理想像となる先輩に出会った。 梅田彩佳さんだ。 それこそ当初は梅田さんにキャプテンという印象は強くなかった。 先輩も後輩も入り乱れていて、超選抜メンバーもたくさんいるチーム。 そんなチームのキャプテンである梅田さんは常に自然体だった。楽屋ではメンバーみんなとふざけてたくさん遊んでくれた。

 一方、ステージでは、圧倒的なパフォーマンスで魅了。 反省会ではみんなの意見を聞きつつ、課題を見つけては、みんなにそれを掲げてくれた。普段からメンバーとの距離感がとても近かったので、相談もしやすい存在だった。 かなり後輩だった私にも、時には意見を聞いて反映してくれていた。
 梅田さんの存在が私の中でキャプテンとして理想的な存在になった。どんなメンバーともコミュニケーションが楽しくとれ、決して遠い孤高の存在すぎないところ。それでいて、ステージでは観客を圧倒する梅田さんの姿がとにかくカッコよかった。それは選抜とかアンダーとか関係なく、尊敬できた。
 私がチーム4キャプテンだったときの行動とは、何もかもが違っていた。キャプテンという役割を高く振りかざさない姿、メンバーの意見を聞く姿勢、メンバーとの関わり方、 AKB48であることをメンバーとして楽しむ姿、全てが自分と違ったことに改めて気づかされた。
 振り返ってみると、私はチーム4時代に秋元才加さんから印象的な言葉をもらっていたことを思い出す。「苦手なことはやらなくていいんだよ、私もみんなに頼りながらやってる」 この言葉をくれた秋元さんと、私が理想としてるキャプテンの梅田さんは同期であり、長年同じチームKだった。 私はこの先輩たちの言葉や背中からキャプテンというものを学べた気がする。
全て自分でやろうとしない。

失敗も経て、理想のキャプテンに出会い、刺激を受けた。
そんな私が再びリーダーをSKE48でやることになった。こんな機会なかなかない。


ダンスレッスンは自分がわからない風を装う

 何度もいうが、私にリーダー気質は一切ない。 その私がリーダーを二度も任されるというのも何かの縁だ。 二度と失敗は許されないと心に誓って、今まで経験したことをベースに動いてみた。
 どの時代にも、どのチームにも、ダンスが苦手な子はいる。 SKE48のチームでもそうだった。 昔の失敗を踏まえた私のやり方はこうだ。 まず全体の練習ペースをその子がついてこられるペースに促す。「〇〇ちゃんができないから、ここもう1回やろう」は絶対禁句。 あくまで自分がわからない風を装ってペースを落とす。ダンスは練習あってこそ。個人で練習量も練習方法も違う。先輩に聞く子、先生に聞きたい子もいれば、一人で練習したい子もいる。 だから全体でできない子を助けるというのは、むしろその子を追い込んでしまいかねない。とはいえ、レッスンはチーム全員での練習であり、限られた時間で行うものでもある。何がなんでも進めなければならない。だからこそ、とりあえず全体でやるべきことの情報だけでも共有するための時間にする。この場でダンスが踊れなくて練習についていけなくとも、とりあえず曲順やら出ハケやらの最低限の情報だけでも耳に入っていれば良い。
 そして、私がレッスンのペースを落とすと、必ず誰かができない子がいることに気づく。 すると、その子は全体が解散した後、できなかった子に声をかけに行く。そして一緒に練習したり、教えたりしてくれるのだ。
 ちなみに私は人に教えるのが本当に下手なので、極力行かない。 教えるのが下手な人はそもそも上手く伝えられないので、相手を困惑させてしまう。 それはかえって迷惑な行為だと思っている。だから私は、誰かが行ってくれるのを見届ける方法をとった。誰もいなかった場合は私が声をかけ、先生なり他の子に助けを求めた。
 これが私のやり方だ。合っているかはわからないが、私なりにかつての失敗を経て、見出した方法。ちなみに、これは1、2回限定の方法だ。毎回これをしてしまうのは優しすぎるし、成長しない。昔はとにかく“自分で学べ”というスタイルだった。 ポータブルプレイヤーでDVDの荒い映像を何度もすり減るまで見て練習、できないと怒られて本番出られない……なんていう時代で育った。誰も助けてはくれなかった。だが、そのスパルタのおかげで成長できたのも事実だった。 
 だから、その次の回のレッスンでは「次は必ず予習してきて。毎回これはあり得ない」ときつめに伝える。一度手は差し伸べるが、時には突き放すことも大事なのではと思っている。
部活でも遊びでもなく、一人前のプロの仕事なのだから。いざという時は嫌われ者になる覚悟も必要だ。


不満解消のためには全員参加アンケート

 リーダーとはいっても、役割をなくせば、ただのメンバーだ。普段から仲良しのメンバーはいる。だが、時として、注意する役割を担うのがリーダーだ。集団なので円滑に進めるためにやらなければいけないことの一つでもある。どんなに仲が良いメンバーがいても注意すべき時はしなければいけない。
私は基本極限まで雰囲気を見守るタイプだ。 ちょっとの気の緩みも許さないタイプもいるが、私はそこまでではなかった。ある程度の一線を越えない限りは、メンバーもスタッフさんも楽しい空気のまま進めたかった。全ての時間を通して「楽しかった」とみんなに思って欲しかったから。とはいえ、このやり方は推奨しない。必ずしも正解だとは私も思っていないからだ。はっきり言って簡単なのは、ちょっとした気の緩みさえも許さないタイプ。その方が全員毎回、注意を払いながら進めてくれる。
 私がリーダーをする上でもう一つ大切だったことはスタッフさんとの連携だ。 基本的に決め事をする時はリーダーも加わることが多い。 改めて言っておくが、全てではない。そして、それをわざわざ皆には伝えない。しかし、女の子社会なので、結局どこかで情報は漏れる。すると、不満を持つ子からどうしてもこちらに矢が向いてしまう。
 全員が納得する方法を見つけるのは困難だ。だから、私は全員が関わるものに関してはアンケートを取っていた。それは不平不満を溢れさせないためだった。 企画やセットリストを考案するのは誰がしても大変なことである。そこでメンバー全員の不平不満を0にするのは不可能。なので、まず最初に一度全員の意見を聞く。全員が参加した形で不平不満が出たら、それはリーダー一人の責任ではなくなる。要は責任を分配する、みたいなことだ。
 それから先の決め事の進行詳細は基本的に明かさない。明かしてもいいことがないからだ。 時には自分から明かすこともあるが、 この場面こそスタッフさんを活用させてもらい、言い逃れすることもある。スタッフさんはある程度メンバーと距離がある。だからこそ、そちらに不満の矢が向くのは仕方のないことだと割り切っている。でもリーダーはあくまでメンバーであり、スタッフさんとはまた別だ。同じ楽屋で過ごし、ステージに立つ。だからこそ、リーダーとして「スタッフさんが」はもはや魔法の言葉だった。
 嫌われる心構えはもちろん大切だ。しかし、全て真っ向から嫌われにいかなくてもいい、と私は思う。


チームKⅡのリーダーとして後悔はない

 失敗も経たが、再びリーダーという役割を担うというのは滅多にない機会だ。しかも二つのグループで、だ。
 最初はチームの目標もなく、どんなことをするかも想像がつかないままやっていた。だが、失敗や先輩の姿を見て学んだあと、わかったことがある。 どんなチームにしたいのか、どんなメンバーがいるのか、どれだけメンバーのことを思いやれて、 愛せるか、そこなのだと思う。
 そして、リーダーとして時には一歩下がることも必要だと私は学んだ。 それはアイドルとして、メンバーとしてはやりたくないこと。でも、私はリーダーという役割をもらった。それは特別なポジション。ならば、他のメンバーの輝ける場も、特別な場も、作ってあげたいと思った。チームの魅力のためにも、いろんなメンバーの可能性を広げることは大事だ。私たちはグループアイドルであり、チームというものがあるにはきっと意味がある。

 選抜される競争社会の中で心が折れる子は何人もいる。必ずしも平等にはできないし、リーダーにものすごい権力があるわけでもない。でも、何もできないわけでもない。メンバーやグループの未来を常に考えながら、新しい形を魅せる努力をする。全員が一瞬でもセンターに立つ喜びを知り、向上心で燃えたてくれたらいいなと思って行動した。自分の推しメンがセンターに立つ姿を見て、ファンの方たちがさらに応援してくれたらいいと思って行動した。メンバー、ファンの皆、スタッフさん、みんなの顔を思い浮かべながら行動した。私がチームKⅡのリーダーとして考えてやってきたことに後悔はない。

 あやめろ(太田彩夏)がリーダーになると誰が想像しただろう。 チームKⅡの新たなムードメーカーとしていろんな人たちが注目し始めた頃だった。 そんなみんなが注目してるときにリーダーに指名されるのはあやめろにとっても、チームにとっても良いことだろう。人が感動したり、衝撃を受けるのはギャップだと私は思う。あやめろはそのギャップにとてもはまる気がする。いつも無邪気に騒いでた子が、リーダーとして奮闘する姿は誰の心にも届くはずだ。
 何より、とても真面目な子だ。きっとリーダーというその役割を深く捉えてたくさん悩むことだろう。でも、その悩みは必ず乗り越えられる。そして成長した先はどんどん強くなれる。アイドルとしてだけでなく、人としても学べる素敵な経験だ。 必ずこの先、リーダーを経験してよかったと思えるはず。
 みんなに愛されて、一生懸命なあやめろだからこそ、絶対に最高なリーダーになれる。 これから先のあやめろの姿が楽しみでしかないと私は思う。

 

(プロフィール)
おおば みな
1992年4月3日生まれ、神奈川県出身。
2009年、AKB48の9期生として加入。2014年、SKE48へ移籍。2022年4月にグループを卒業し、現在はタレントとして活動中。13年間のアイドル活動を自身の筆で赤裸々に書き下ろした『大場美奈フォトエッセイ 器用じゃないけど。』が絶賛発売中。

 

EXweb編集部

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