大場美奈の『だってアイドルだったから』。
真夏のホラーショー『呪怨 THE LIVE』に出演中のみなるん。
初めてお仕事をする方々に囲まれて人見知りが発動!
そこにはアイドル時代とは違う「人見知り事情」がありました。

30歳で世に放たれたら知らないことがたくさんあった。
大場美奈の言い訳連載『だってアイドルだったから』。
17歳でAKB489期生オーディションに合格してから30歳までアイドル人生をまっとうした大場美奈。卒業してみたら毎日が知らないことで溢れていた! アイドルに没頭しすぎたからか、はたまた生活力の問題か?大場美奈の発見を綴るコラム。
第5回目は「生粋の人見知り問題」。アイドル時代は人見知りを活用しちゃう部分もあったけど、いまは“元アイドル”。そんなわけにもいかなくて…。
第5回 生粋の人見知り問題
アイドルだったから許されると思ってた。
私は今、舞台「呪怨 THE LIVE」に出演中。
舞台って大体1ヶ月のお稽古と1,2週間の本番の期間を必要とする。
一番最初に“顔合わせ”という“初めましてと挨拶をする会”があるのだが、
次の日からは稽古が始まるので人間関係が出来ていなくてもお芝居として成立させるのが基本の流れ。
私は生粋の人見知りだ。
学生時代も休み明けの月曜日には友達に人見知りして
水曜日くらいにやっと打ち解けてたし、
アイドル時代も同様に仕事の関係でしばらく会わない期間があると
何年も一緒にいるメンバーにさえ人見知りしてたので
後輩によく「うわ、また人見知りしてる」といじられてた。
コロナ明けは本当に人見知りにはしんどかった。
なんせ全員とまた距離を一から詰めないとならなかったのだから。
ちなみにファンの人たちにはこの人見知りは発動しない。
もちろん会う間隔は空くので一見対象に見えるが、
握手会という立派なお仕事空間だと認識していたことや、
アイドル意識のスイッチが自然と入っていたので、
一切人見知りをしたことはない。
あくまで身内側、に対しての極度の人見知りなのだ。
そんな私は毎回舞台になると苦戦している。
なので今回の舞台もしっかりと発揮され、悩んだ。
アイドルを卒業して、いくつか舞台出演をしたのだが
再演だったり、知り合いが居たりしたので
ここ最近は人見知りに対しての不安要素を感じることがなかった。
だが今回の舞台に関しては全キャスト、全スタッフ、
初めてお仕事をご一緒する方々だった。
今までだったら時間に身を任せて
打ち解けるのを自然に待とうと思っていた。
というのも、アイドル時代よく言われていたのだ。
48グループというのもあって
共演者さんたちからしたら話しかけていいのか迷う、と。
だから今までは稽古場にボーッと座ってるだけで
こちらから話しかけない限りは
積極的に話しかけられることはあまりなかった。
少し場にも慣れてきてこちらから話しかけると
「やっぱりアイドルだから勝手に声かけていいのか気にはしていたよ」
とよく言われていた。
舞台期間中はキャストみんなで仲を深めるために
ご飯会をするのも大切な交流のひとつだが
「アイドルだから来れないだろうなと思って…」と
呼ばれないこともあった。
みんなが舞台という環境で“アイドル”に対して気を遣ってくれていたのだ。
まぁでも人見知りの私はそんな“アイドルだから”という部分に
少し甘えていたところはあって
自分のタイミングで関係構築しに行けたので
アイドル時代は思う存分、それを有効活用していた。
これこそ「アイドルだったから許されていた」こと。
だが私はもうアイドルではなく、“元アイドル”。
だから今まで使っていた手は使えないし、
なんなら「人見知りなんで…」とかもう言ってられない、
自分から積極的に関係を築きに行かないと!と思っていた。
だがなかなかできないのが現実。
ひと言目になんて話しかけたらいいか分からないし、
それ以降の会話を私が続けられるのか。
「この人、話しかけてきたのに全然つまんない」とか
「なんか話しかけてきた……やだなー」とか
思われるのではと不安しかないからだ。
嫌われたくないし、嫌がられたくない。
その結果“私から話しかけない”状況になる。
今回稽古初日から関係性が深いシーンのお芝居で
あまりにも心を開けてなさすぎて
全然お芝居として成り立ってなかったなぁと
思い返すだけで恥ずかしい。
打ち解けた後にキャストの人からも
稽古初日、床にあぐらかいて座って誰とも話さず台本ずっと読んでる姿みて「美奈ちゃんきっと人見知りだよね、ってみんなで話してた」と言われた。
めちゃくちゃ恥ずかしい!
1ヶ月前に戻ってやり直したい!
そんな気持ちになりもしたが、今回も周りの方々のおかげでしっかり打ち解けて毎日楽しく力を合わせて本番やっております。
ぜひ、観に来てくださ~い。
ちなみに打ち解けられた会話のきっかけは
「人見知り?」と聞かれたことで「めちゃくちゃ人見知りです!」って言えたこと。
「俺も前、人見知りだったんだよね~」と言うのでどうしたら直るか相談したが、
「いろんな人に話しかけてたら直った!」と言われ、
それができないから困ってるんだけどな、って思ったが心の中に留めて、私は私なりの解決策を見つけようと思ったのでした。
(プロフィール)
おおば みな
1992年4月3日生まれ、神奈川県出身。
2009年、9期生としてAKB48に加入。2014年、SKE48へ完全移籍。2022年5月にグループを卒業し、現在は女優・タレントとして活躍中。
13年間のアイドル活動を自身の筆で赤裸々に書き下ろした『大場美奈フォトエッセイ 器用じゃないけど。』が絶賛発売中。8月12日(土)~8月20日(日)舞台『呪怨 THE LIVE』 (こくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて) 小林真奈美役にて出演。
■information
『呪怨 THE LIVE』
2023年8月12日(土)~20日(日)
東京都 こくみん共済 coop ホール / スペース・ゼロにて上演中!
当日券の詳細は、https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2315995&rlsCd=008
原作:『呪怨』『呪怨2』(製作:東映ビデオ 脚本・監督:清水崇)
脚本:穂科エミ
演出:田邊俊喜
恐怖監修:五味弘文
出演
小林俊介:小松準弥
小林真奈美:大場美奈
鈴木達也:あべこうじ
鈴木響子:原幹恵
鈴木信之:古賀瑠
神尾刑事:荒木健太朗
北田良美:越智ゆらの
北田洋:宮下幸生
吉川刑事:野添義弘
佐伯俊雄:福田龍世、石井舜、溝口凛瞳、いおり
佐伯伽椰子:佐々木心音
佐伯剛雄:いしだ壱成
凶演者:斉藤ひかり、木原実優、真辺彩加、絃ユリナ、白石真菜、福島愛、CHIRI、柴崎菜々、和田望伶、鶴田彩