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大場美奈の『だってアイドルだったから』。
結婚後、お仕事関係以外の方との交流が増えたみなるん。
完全プライベート・オフモードでいたけど、
「アイドルだった私」を知っている方との出会いも増えてきて……
「オフの私」と「元アイドルの私」、どっちでいるのが正解? 皆さんはどう思いますか?

  • 2023年10月02日 18時00分 公開
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「今月の一枚」クレジットカードの説明を受けに行った後のカフェでの一枚です。

30歳で世に放たれたら知らないことがたくさんあった。
大場美奈の言い訳連載『だってアイドルだったから』。

17歳でAKB489期生オーディションに合格してから30歳までアイドル人生をまっとうした大場美奈。卒業してみたら毎日が知らないことで溢れていた! アイドルに没頭しすぎたからか、はたまた生活力の問題か? 大場美奈の発見を綴るコラム。
第6回目は「『元アイドルの大場美奈』と『プライベートの大場美奈』どっちでいるのが正解問題」。アイドル卒業後の意識の変化が、こんなにも困惑をもたらすとは……! 悩んでます!

 

第6回「元アイドルの大場美奈」と「プライベートの大場美奈」

どっちで居るのが正解?

 

 

アイドルだったから許されると思ってた……。

 

アイドル時代の私は”忙しさ”と”人見知り”を理由にして
大人として必要な手続き系は全て親に任せていたり、
プライベートで人と出会うことを”敢えて”避けて生きてきた。

アイドル時代はそれでよかったのだが、
私も結婚を機に、親任せだった手続き系を自分でする様になり、
仕事関係以外の方と知り合って交流する機会が増えた。

それを機に、今ある悩みに直面している。

結婚して夫の友人家族と交流する機会が増えた。
基本芸能関係ではない仕事の方々だが、年代は近い。


ある日、夫の友人家族が結婚のお祝いを届けにきてくれたので急遽挨拶して欲しいと言われた。
パジャマだった私は、最低限人に会っても失礼のない様な格好に着替えて挨拶に向かった。
私の中で「挨拶=2、3分」の感覚だったので、すぐ終わると思っていた。

「初めまして〜」と挨拶を交わし、
そこで終わりかと思ったが少し話そうという流れになった。

その後は人見知りが爆発しないように抑えながら
会話からもはみ出ないように絶妙な距離感でその場に静かに居ると、
ふと奥さんから「ってか、私バカレアずっと見てました!!」と言われた。

……なんと。
嘘だろ。

今ここに存在している私はあくまで”初めましての嫁”モードの私であって
”元アイドル”の私としては存在していない。

しまった。

年代が近いということは、”AKB48の全盛期”を通ってる可能性も高い。

とは言っても私はAKB48の中で神7でもなければ、選抜メンバーでもない。
最終的には”AKB48の大場美奈”で卒業したわけではなく、
”SKE48の大場美奈”として卒業したのもあって
意識的に”元AKB”の感覚はあるが、”元SKE”の方が強い。

卒業する2、3年前くらいからは
街で身バレすることもなくなっていたので
そもそもアイドル時代から
”バレる”という意識はなくなっていた。

卒業してから、その意識はさらに強くなってはいたのだが
こんな形で私のことを知っている人に出会うとは思ってもみなかった。

とはいえ、ここまでの自分を頭フル回転して思い出してみると、
元アイドルとは思えない様な覇気のない格好だし、
メイクはもちろんしてなくすっぴんにメガネ。

この時点でもう終わったも同然。
こんな姿を見せてしまうなんて……。

会話中の私は相槌を入れてはいたものの
自ら話題に入って行ったわけでもなく、話を振ってもない。
陰キャの極みだった。

 

ここでいつもどうしたらいいのかいまだにわからないのだが、

静かにしていた自分は忘れて”元AKBの大場美奈”として
「えー! 早く言ってくださいよ! 嬉しい! 誰推しでした??」とか
アイドルトークに持っていきながら仲を深めることのが正解なのか、

 

一旦受け取ってもう少しその場の空気に馴染んでから
「そういえば誰推しだったんですか?」と
さりげなく聞いて仲を深めていくのが正解か、


皆さんはどう思いますか?

私は今これを書きながら
絶対に流れで行った方がいいと思った。

だがこの時の私は
「おぉ! ……そうなんですね~ありがとうございます!」
と言って会話は終わった。


選択をミスっている。
あーもうやり直したい。


最近ではクレジットカードを作るために夫婦で説明を受けに行った。
こんな時私は、隣で説明を淡々と聞いている。
生活に関わることは、損をしないようにするためしっかり内容を理解したい。
そのため基本いつも顔が険しくなっているらしい。

そんな感じで最初の軽い説明を聞いた後に
「実は……めちゃくちゃ見てました」とカード会社の人が私に向かって伝えてくれた。

きた。
またやってしまった……。

よりによって笑顔ならまだしも、険しい顔を晒してしまった。
妻としてしっかり考えてる風を装ったのだが、余計なことをしたみたいだ。
むしろそのせいで印象悪く思わせてしまったのではないか……。
なぜいつも同じ間違いをするのだ。

ただ私も繰り返してきた間違いをこのままにするわけにはいかない。

これをチャンスと捉え「そうなんですか!!!」と
一気にテンションを上げてみた。

すると相手の方もとっても嬉しそうになったのでこれが正解だったと気づく。

話を聞くとAKB時代ももちろん知っているが、
SKEのバラエティ番組での私を見て一気に好きになってもらえたらしい。
そんなこともなかなかないのでとっても嬉しかった。

自分の性格を尊重しすぎて
相手のことをしっかり考えられていなかったのかなと思う。

アイドルを卒業して、
自分が表舞台の人間だという意識もだいぶ薄くなっている。
そのせいか”誰も私のことなんて知らないでしょ”と思いながら日々過ごしている。

その思考がこんなにも自分を困惑させるとは……。

元アイドルの大場美奈として居るべきか、
元アイドルで芸能活動をしている大場美奈で居るべきか、
プライベートの大場美奈で居るべきか、
一体どれが正解なのか。


現役の時は「アイドル大場美奈100%」で生きていたので
それが正しかったし、アイドルだからこそ許されていたが……

今では「元アイドルの大場美奈10%、芸能活動してる大場美奈30%、プライベートの大場美奈60%」として
生きているのでどうしたら良いのか。

とにかく人としては後悔したくないので
極度のめんどくさがりではあるが
人と出会う可能性がある時、
もはや家から出る時は
メイクも必ずして、自分が恥じない姿で
人と接するように努力してみようか。

なんだか悩みのおかげで自分が少し変われた気がしてプチハッピーになったのでした。

 

(プロフィール)
おおば みな
1992年4月3日生まれ、神奈川県出身。
2009年、9期生としてAKB48に加入。2014年、SKE48へ完全移籍。2022年5月にグループを卒業し、現在は女優・タレントとして活躍中。
13年間のアイドル活動を自身の筆で赤裸々に書き下ろした『大場美奈フォトエッセイ 器用じゃないけど。』が絶賛発売中。

 

EXweb編集部

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